インコはなぜしゃべる?おしゃべりする理由

インコさんには、周りで何度も聞く音を覚え、自分の声でまねする習性があります。人の言葉をまねるだけでなく、言葉とそのときに起きる出来事を結びつけて覚えることもあります。

身近でよく聞く音を覚える

野生のインコさんは、仲間と鳴き交わしながら生活しています。人と暮らすインコさんも、飼い主さんの声、口笛、電子音、生活音などを繰り返し聞くうちに、まねすることがあります。
ただし、言葉の意味を人と同じように理解しているとは限りません。また、音をまねするかどうかや、覚えやすい音には個体差があります。

音と場面を結びつけることがある

同じ言葉を同じ場面で使うと、音と出来事の関係を学びやすくなります。ただし、適切な場面で言葉を使っているように見えても、人間と同じように言葉の意味を理解しているとは限りません。どこまで関連づけているかは、鳥種、個体、学習経験によって異なります。

「おはよう」 朝に飼い主さんが部屋へ来たり、生活を始めたりする場面と結びつけます。
「ごはん」 食器を用意して、食事を出す場面と結びつけます。
「おいで」 飼い主さんの近くへ移動する場面と結びつけます。
「おやすみ」 照明を落とし、静かに休む準備をする場面と結びつけます。
名前 そのインコさんへ呼びかけたり、注目したりする場面で使用します。

どんなインコがおしゃべりする?鳥種・性別・年齢の違い

人の言葉を覚えるかどうかは、鳥種だけでは決まりません。同じ鳥種でも、性格、興味を持つ音、年齢、生活環境、人やほかの鳥との関係などによって大きな違いがあります。

鳥種による違い セキセイインコ、ヨウムなどは、人の言葉をまねする個体が比較的多いことで知られています。ただし、おしゃべりが得意とされる鳥種でも、まったく人の言葉を話さない子はいます。
性別による違い セキセイインコなど、一部の鳥種ではオスのほうが複雑なさえずりや音まねをする傾向があります。ただし、メスでも言葉を覚える子はいるため、すべてのインコを「オスは話す、メスは話さない」と判断することはできません。
年齢による違い 若い時期に音を覚えやすい子もいますが、成鳥になると新しい言葉を覚えられなくなるわけではありません。成鳥でも、興味を持った音や日常的に聞く言葉を取り入れることがあります。
個体による違い 人の言葉より口笛や電子音を好む子、鳴き声で交流する子、音をまねしない子もいます。覚える音の種類や数には大きな個体差があります。

種類だけで「話す・話さない」は決まりません

おしゃべりが得意とされる鳥種や性別であっても、必ず話すようになるわけではありません。反対に、おしゃべりが得意とはされていない鳥種でも、音や短い言葉を覚える子がいます。

話さないことは能力不足ではありません

人の言葉を話さなくても、鳴き声、姿勢、視線、動きなどを使って、インコさんはさまざまな気持ちを伝えています。おしゃべりの有無だけで、賢さや人への親しさを判断しないようにしましょう。

我が家のセキセイインコ・レティ(♂)
我が家のオカメインコ・レヴィン(♂)

インコに言葉を覚えてもらう練習方法|STEP1~5

毎日、同じ場面で同じ短い言葉を話しかけることから始めます。無理に言わせようとせず、インコさんが落ち着いてこちらの声を聞いているときに、少しずつ練習しましょう。

STEP1

覚えてもらう
短い言葉を一つ選ぶ

STEP2

毎日、同じ場面で
同じ言葉を使う

STEP3

短い時間、ゆっくり
はっきり話しかける

STEP4

言葉に似た音を
出したら褒める

STEP5

覚えた言葉を
使ったら反応する

STEP 1覚えてもらう言葉を一つ選ぶ

最初は、名前や短いあいさつなど、普段からよく使う言葉を一つ選びます。家族の間でも、できるだけ同じ言い方で話しかけましょう。最初から長い言葉や文章を覚えてもらおうとせず、短くて聞き取りやすい言葉から始めます。

  • インコさん自身の名前
  • おはよう
  • おやすみ
  • ごはん
  • かわいいね

STEP 2毎回同じ場面で話しかける

選んだ言葉は、毎日できるだけ同じ場面で使います。例えば、朝は「おはよう」、食事の前は「ごはん」のように、言葉を使うタイミングを決めましょう。言葉と出来事を一緒に繰り返すことで、インコさんが覚えやすくなります。

朝 朝に最初の声をかけるときに「おはよう」
食事 食事を出す直前に「ごはん」
帰宅 部屋へ入ったときに、名前や「ただいま」
就寝 部屋を暗くして休ませる前に「おやすみ」

STEP 3短い時間、はっきり話しかける

インコさんの近くで、覚えてもらいたい言葉をゆっくり、はっきり話します。大きな声を出したり、同じ言葉を何度も続けて言ったりする必要はありません。食事中、羽づくろい中、休んでいるときは邪魔をせず、こちらの声を聞いているときに短く話しかけましょう。

  • 落ち着いた声で話しかける
  • 言葉をゆっくり、はっきり話す
  • 大きな声を出さない
  • 同じ言葉を何度も続けて言わない
  • こちらの声を聞いているときに話す
  • 一回の練習を短い時間で終える

STEP 4似た音を出したら褒める

言葉をはっきり言えなくても、似た音を出したら優しく褒めましょう。最初は、言葉の一部分だけをまねたり、小さく不明瞭な声を出したりすることがあります。覚えてもらいたい言葉に近い音を出したら、すぐに声をかけて褒めます。必要に応じて、小さなおやつを与えてもよいでしょう。

STEP 5覚えた言葉を使ったら反応する

インコさんが覚えた言葉を話したら、声をかけたり近くへ行ったりして反応しましょう。朝に「おはよう」、食事の前に「ごはん」など、その場面に合った言葉を使えたときは、いつもより少し大きく褒めます。毎回おやつを与える必要はありません。声をかける、一緒に遊ぶなど、普段のふれあいでも褒めることができます。

人や手への信頼関係づくりについては

「インコTIPS:手乗りインコの育て方・慣らし方」 で詳しく紹介しています。

無理に言葉を言わせないようにしましょう

言葉を話すまで食事を出さない、同じ音を言うまで練習を続けるといった方法は避けましょう。言葉を話さない日でも、食事や休息、ケージの外で遊ぶ時間、飼い主さんとふれあう時間は普段どおりに与えてください。

インコにおしゃべりを教えるときの注意点

おしゃべりは、毎日の交流の中で楽しむものであり、インコさんへ長時間の練習や録音音声を押しつけるものではありません。反応がなくても叱らず、その子が好むコミュニケーションを尊重しましょう。

  • 無理強いしない
    「おしゃべりを教える時間」と構えすぎず、毎日の触れ合いの中で自然に語りかけます。反応がないときに、同じ言葉を長時間繰り返す必要はありません。
  • 休息や食事を邪魔しない
    眠っている、食べている、羽繕いをしているときに注意を引こうとせず、落ち着いて人へ関心を向けている時間を選びます。
  • 録音音声だけに頼らない
    録音した言葉や動画へ反応する子もいますが、長時間繰り返し流せば必ず覚えるわけではありません。実際の場面で飼い主さんが反応しながら話しかけることも大切です。
  • 録音は小さな音量・短時間にする
    大音量で再生せず、同じ音声を一日中繰り返さないようにします。インコさんが怖がる、落ち着かなくなる、興奮が強くなる場合は中止してください。
  • 覚えてほしくない言葉や音にも注意する
    インコさんは、教えようとした言葉だけを選んで覚えるわけではありません。家族が大きな声で繰り返す言葉、電話の着信音、家電の電子音などを先に覚えることもあります。
  • 覚えた音を無理にやめさせようとしない
    一度覚えた音を完全に言わなくさせることは難しい場合があります。大きく反応することで発声が増えることもあるため、日常的に使う言葉や音を事前に見直しましょう。

危険を知らせる音を意図的に覚えさせない

火災報知器、電子レンジ、電話などの音をまねする子もいます。本物の警告音と区別しにくくなる場合があるため、警告音の録音を意図的に聞かせて覚えさせることは避けましょう。

おしゃべりしないインコとのコミュニケーション

人の言葉を話さないインコさんも、鳴き声、姿勢、視線、移動、くちばしなどを使って気持ちを伝えています。「話せるようにする」ことだけでなく、インコさんがもともと使っているサインを飼い主さんが理解することも大切です。

鳴き声 呼びかけ、警戒、満足、不安などを伝えます。鳥種や個体によって声の種類や音量は異なります。
姿勢 身体を近づける、離れる、低くする、細くするなどの動きで意思や緊張を示します。
羽毛 膨らませる、身体へ密着させるなど、体調や感情、室温などによって変化します。一つの状態だけで気持ちを断定しません。
視線や移動 見つめる、近づく、離れることによって関心や拒否を示します。
くちばし 物を調べる、身体を支える、遊ぶ、触れ合う、拒否を伝えるなど、さまざまな目的で使います。

大声を出したときだけ反応しない

穏やかな鳴き声や小さなおしゃべりをしているときにも、積極的に声をかけましょう。大きな声を出したときだけ人が近づく状態が続くと、注目してもらう方法として大声を繰り返す場合があります。
ただし、朝夕の鳴き声、仲間を呼ぶ声、驚いたときの声など、インコさんとして自然な発声もあります。すべての大きな声を無視したり、問題行動として止めたりしないことが大切です。

鳴き声へ返事をすることも交流です

インコさんが穏やかな声で呼びかけている場合は、姿を見せられないときでも短く返事をする方法があります。鳴く理由を確認せず、一律に無視するのではなく、体調、安全、孤立、不安なども含めて状況を確認しましょう。

急にしゃべらない・声がかすれるときは体調も確認

これまでよく鳴いていた子が急に鳴かなくなったり、声がかすれたりした場合は、おしゃべりに飽きただけと判断しないでください。練習を中止して、呼吸、食欲、体重、フン、活動量を確認し、異常があれば鳥を診られる動物病院へ相談しましょう。

早めに相談したい変化 急に鳴かなくなった、声がかすれる、声を出しにくそうにする、鳴き方が明らかに変わった、くしゃみや鼻水が続く、食欲・体重・フン・活動量にも変化があるなど。
緊急性の高い変化 口を開けて呼吸する、呼吸に合わせて尾を大きく上下させる、呼吸音がする、止まり木へ止まれない、ぐったりして反応が弱いなど。

声の変化に体調不良のサインがある場合は

「インコの病気:インコさんの体調不良」 で、普段と違う様子や受診を考えたいサインを詳しく紹介しています。

FAQ

インコのおしゃべりについてよくある質問

インコさんが言葉を覚えることや、おしゃべりの練習についてよくある疑問をまとめました。

インコはなぜ人の言葉をしゃべるのですか?

周囲で繰り返し聞く音を覚え、自分の声でまねする発声学習が関係しています。人の言葉だけでなく、口笛や電子音、生活音をまねする子もいます。

インコはどのくらいで言葉を覚えますか?

覚えるまでの期間には大きな個体差があり、日数で決めることはできません。すぐに音をまねする子もいれば、長く聞いてから話し始める子、言葉を話さない子もいます。期間を目標にせず、毎日の短い声かけを続けましょう。

セキセイインコはオスのほうがおしゃべりしますか?

セキセイインコではオスのほうが複雑なさえずりや音まねをする傾向が知られていますが、メスでも言葉を覚える個体はいます。性別だけで「話す・話さない」を判断することはできません。

成鳥になってからでも言葉を覚えますか?

成鳥でも、興味を持った音や日常的に聞く言葉を取り入れることがあります。若い鳥だけに限定せず、その子が落ち着いて声を聞いている時間に短い言葉から試しましょう。

録音した言葉を繰り返し聞かせると覚えますか?

録音へ反応する子もいますが、長時間繰り返せば必ず覚えるわけではありません。小さな音量・短時間にし、怖がる、落ち着かない、興奮が強くなる場合は中止してください。実際の場面で飼い主さんが声をかけることも大切です。

おしゃべりしないインコは問題がありますか?

人の言葉を話さないこと自体は問題とは限りません。鳴き声や姿勢、視線などで交流する子もいます。ただし、これまでよく鳴いていた子が急に鳴かなくなった、声がかすれる、呼吸や食欲にも変化がある場合は体調を確認し、必要に応じて鳥を診られる動物病院へ相談してください。

目標は「話すこと」ではなく楽しく交流すること

おしゃべりをするかどうかは、その子の個性の一つです。話さない子へ繰り返し練習を求めず、鳴き声や動きも含めた毎日のコミュニケーションを楽しみましょう。